2020年9月

2020年、Amit Royの新譜2枚が同時リリースとなりました。 

新譜について、近況についてロイさんにお話を伺いました。

 

Q. LyricsRain今回はどんなコンセプトで制作が始まったのですか?」 

 

ロイさん:「Lyricsは生徒さん達からのリクエストで、色々なラーガを短くまとめたアルバムになった。朝のラーガから夜のラーガまでバリエーションに富んだ一枚。Rainは全部雨季のラーガ。今まで雨のラーガを録音したことが無かった。インドの雨季でインドの人がどういう風にメロディを作ったり、雨をどう感じているかとか雨のイメージね、それを基に作った。」 

Q. 言われてみたら確かに雨のラーガの録音はありませんでしたね。。。インドの雨と言えば、近年日本でもゲリラ豪雨だったり雨の降りかたが昔と変わってきている気がしませんか?少しインドの雨季を連想させるような降り方だったり。」 

ロイさん:「うん。初めて日本に来た時はこんな感じじゃ無かった。雲のカタチ(感じ)が違ったの。最近はインドとそっくりな感じの雲の時もある。ゲリラ豪雨みたいな降りかたはRaga Meghみたい。DeshRain/トラック2はもっと優しい感じの雨。日本語で何ていうの? 

Q. 「えーと、小雨?でしょうか。優しい感じの雨ですよね?Raga Desh。雨季のラーガと言えば先ずマルハール(Malhaar)が思い浮かびます。〇〇マルハール、□□マルハールってたくさんのマルハールがありますよね?」 

ロイさん:「Miyan ki MalhaarRain/トラック3)はミヤンタンセン(インド音楽の歴史上、伝説的な宮廷音楽家 c.1493/1500 – 1586 )が作ったラーガ。他にも彼が作ったラーガにDarbari KanadaとかMiyan ki Todiがある。ロマンティックなラーガね。」 

Q. 「はい。」 

ロイさん:「で、自分で創ったラーガを今回録音した。それがグンジ マルハールRain/トラック1GunjiMalhaar、、、MeghGunjiの組み合わせ。Gunjiもとてもロマンティックなラーガで、Gunji KanadaGunji KaunsMalgunji、、、Gunjiと組み合わせたラーガがいくつもある。その中でGunjiMalhaarって組み合わせが何故無いんだろうって思った。」 

Q. 「おおっ、そこから創作が?ありそうで無かったラーガ!」 

ロイさん:「昔、グルジー(故 Pt.Nikhil Banerjee氏)が演奏したGunji Kanadaを聴いたの。多分、グルジーが創ったラーガだと思う。他の誰の演奏も聴いたことがないし録音も無い。凄く良いラーガだなって思った。」 

Q. 「グンジカナラ! んっ、グンジカナラ? どんなラーガでしたっけ?」 

ロイさん:「(Gunji Kanadaを一節、いや二節、三節...♪♪♪S-d, dnR, R-,R,RgRSndnR, SndnS. SG-G, G-MGPMgRSndnR.♪♪♪♪♪.............これグルジーが演奏してた」 

Q. 「おおおっ!ニキル氏のGunji KanadaあってのGunji Malhaar誕生だったんですね? 

最後に現在レッスンはオンラインが中心になっているかと思いますが、オンラインでのレッスンはいかがですか?」 

ロイさん:「オンラインのレッスンも良いね。みんな上手くなってる。不思議。」 

Q. 「おおおおっ!」 

ロイさん:「状況がよくなるまで、今はちょっとガマン!」 

Q. 「はいっ。」 

 

状況が改善し、実際に同じ空間で演奏が聴けたり、レッスンを受けることができたり、お会いできる日を楽しみに、ウイルスに気を付けながら、心身ともに健康に日々を過ごせたらと思います! 

そしてラーガが持つ様々なムード、表情がお愉しみいただけるロイさんの2つの新アルバム。ロイさん作のラーガ、グンジ マルハールも是非聴いてみてくださいね! 

 

取材/文 栗原 崇 

Amit Roy 久々の新譜の登場です!スタジオ録音による「Rain」と「Lyrics」2タイトル同時リリース致しました!

アミット ロイ Bandcamp サイトよりダウンロードして頂けます!CDのご注文も承っております!

 

Amit Roy - Sitar
Takeshi Komuro - Tabla
Kayo Nakamura - Tampura
Takashi Yamada - Recording Engineer